いや、あたし持てるけどお盆も一緒には流石のあたしでも

無理があるので贅沢言わないから3人ほど居ると助かる。

サユが待ってなさいよと言いながらナル君に続いて、

家庭科室を出て行ってからもせっせと準備を整えた。

お鍋溢れないか心配である。

家庭科室の窓の外は丁度部活をしているサッカー部

が汗を流しながら休憩していた。

窓に近付いて開けると今日も爽やかな佐藤君が先輩に

囲まれながらよっと手を上げた。

「佐藤君、今日も部活だったのですか。毎日ご苦労様です。」

ひ、久しぶりの佐藤君出た!!

毎日会ってはいるけど中々物語に出てこなかったもんね。

登校するとよく挨拶する人なんだよ。

※委員会もしばらくなかったことが原因です。

「立花は?家庭科室って珍しいよな。」

「あ、はい、少々作り物がありまして。

そういえば、これおすそ分けします。」

※先ほど、ナルが料理研究部から頂いた残りをあげています。

それを知らないであろう佐藤君は頬をピンク色にして受け取ってます。

「あ、ありがとうな。」

「いえ、残り物ですみませんが部活活動頑張って下さいね。」

あら、喜んで頂けたようで良かったわ。

クッキー食べたら激甘で食べれそうになかったんだよね。

「それでは。」

風が窓から入り込み身震いがしたところで窓を閉めた。

その内、椅子に座って待っていたらもっくんとももっちと

よっちゃんという頼みやすいメンバーが来てくれた。

「ヒヨリン、その鍋持つからこっちのお盆持てば・・」

「だ、駄目だよ!これ重いからあたしが持つんだ。」

もっくん、君って人は優しいです!

よっちゃんとももっちなんてお盆持って先に行って

しまったもんね。

「駄目じゃないよ、ひっくり返りそうだからこっち持って。」

「うっ・・・でも、もっくん重いよ?」

「図体、無駄にデカイだけじゃないから。」

「そんな、羨ましい肉体美ですよ!」

もっくんが軽々と鍋を持ち上げてしまうことに

ビックリした。

さすが、もっくんと言うべきところなんだろうか!

お盆を持って2階を上がる辺りで不良メンバーズが

待ちきれなかったのか雪崩のようにやってきた。

ある意味、恐怖の集団である。