僕はそれが不思議だった。
 仕方がないことなのに。悲しいことなのに。なんで母さんはこんなに嫌がるんだろう。母さんは冷たい。
 僕はそう思った。



 一学期が終わり、長い夏休みに入った。
 部活動に所属しておらず、特に夏休みに大きな予定も立てていなかった僕は、完全に暇を持て余していた。
 友達と遊びに行くこともあったが、ほとんどは家で過ごしていた。