「やっと俺のものになった…」


そう呟いて、天翔はあたしを抱き締める腕に力を込める。


「天翔…っ…」


「もう離さねぇ…」


温かい家庭に恵まれなかったあたしと天翔。


親にも愛されず、ずっとずっと孤独だった。


でも、人を信じるのが怖くて…。


自分から孤独の道を進んでいった。


愛されることを知らないあたしたちは、人を愛することも知らない。


いや、愛することはできても、また誰かに捨てられるのが怖かったんだ。