「だから…あたし、天翔のことが好き……んっ!!」


言い終えると同時に重ねられた唇。


優しくて少し血の味がするキスに、また涙が流れる。


ゆっくりと唇が離れ、今度は天翔にギュッと抱き締められた。


甘いけれど、男らしい香水の香りが鼻を掠める。


天翔の温もりが、たまらなく愛しい。


一人じゃないってわかって、すごく落ち着くんだ。


「美桜…」


天翔が切なそうにあたしの耳元で囁いた。


その声に、心が震える。