少なからず、笑顔ではない夏奈の表情に不安になる。
「これ・・・・」
そう言いながら差し出したもの。
これが不安の種か。
もしかして、靴の中にカミソリとか・・・!?
って。
「ラブレター!?」
大声を出したあたしに、周りから好奇の目が集まる。
「バカっ。大きいよ」
「ごっ、ごめんごめん。だって・・・」
ラブレターって、・・・・・・すごい。
今時あるんだっていう驚きと、告られたんだという羨望。
「誰から誰からっ??」
「朱莉ってば、面白がってるでしょ。あたし、もうびっくり・・・」
「えへへ。で、誰からよっ」
白い封筒には何も書いてなかった。
ハートのシールは貼ってあったけど。・・・ベタだなぁ。
綺麗に糊で留めてある封筒を、ペリっと捲る。
そこには、また白い便箋。
その真ん中には。
ずっと好きでした。付き合ってくれませんか。
─────長谷川 奈々瀬