そわそわしながら亮一が来るのを待ってる七瀬さんがいる方に向かって、全赤の状態の交差点を無理に左折通過してしまおうとした、一台の軽自動車…


パッ…『青』が点灯した歩道側信号…


それに合わせて動き出す人。


叫ぶ声…


ドンッ…ガシャンッ!!


重く鈍い音と何かが壊れる大きな音…


全てがスローモーションのようでいて、一瞬の出来事…


走り出していた亮一は車や人に遮られ見えなくなった七瀬さんを探す。


そして…電柱にぶつかり止まった車の直ぐ横に倒れている七瀬さんを見つけた。


夕方の駅前で交番もあり、周りの人の助けで救急車や警察車両もきて、恋人だと判断してくれた救命士が、救急車で一緒に病院へ連れてきてくれた。


あまりの衝撃に口がきけない亮一を励ましながら、救命士はなんとか亮一から家族や学校の事を聞き出したようだった。


病院に着き手術になり、ただ、手術室の前でまつ亮一。


一時間ほどして七瀬さんの家族が駆けつけた。


そこで、ようやく我に返り亮一はただ「すみません」を繰り返していたらしい。


それから少しして俺に電話してきたようだ。


絶対安静の状態だが、命に別状はなく、脚の骨折と全身打僕ですんだらしい。


ただ、目が覚めてみないと頭部についてはまだ、所見は控えると言われたらしい。


☆☆☆


そして、2週間…まだ、七瀬さんは目を覚まさない…