親友の亮一からの電話は重いものだった。
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あれから2週間たち、秋も深まり寒くなってきた。
今日も俺と蒼と亮一と三浦さんは学校からある場所へ向かう。
『松宮総合病院』
三階の廊下を進み、病室の入り口のプレートをなんとなく見る。
『七瀬麗香』
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あの日、亮一に呼ばれて俺達はこの病院にかけつけた。
そして事故にあってしまった七瀬さんと対面する。
対面、と言ってもガラス越しで目が合うことも話すことも当然無理だったが…。
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亮一が文化祭の後、七瀬さんに告白されて付き合い始めたってことはこの日に分かった。
今まで彼女なんてちゃんとして付き合ったところを見たことなかったから、亮一も初めてちゃんと恋愛してたんだなって、話を聞いて思った。
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デートして、夕方からは家族と用事があるからって、七瀬さんが帰るため駅で別れた。
だが、駅を出て信号を渡った亮一に向かって後ろから七瀬さんの声がする。
振り返ると七瀬さんが手を振りながら「忘れ物~」と言ってるのが聞こえた。
「戻るから待ってろ!!」
そう言って信号がまた青になるのを待つ二人。
ニコニコと笑い合いながら道路を挟んで待っていると車側の信号が黄色から赤になり、交差点全体が赤に…