文化祭が終わり、秋らしい過ごしやすい日が多くなってきた。
放課後は公園に行き、俺はボード練習をして、蒼は何やら編み物を始めた。
日向ぼっこしながら編み物とか…(笑)
ばぁちゃんみたいって言った初日は無視されて散々だったから、2度と、思っても言わないんだ…
バイトは金曜の放課後と日曜の午後に頼まれたらしくて冬休みまではそのパターンで働くらしい。
☆☆☆
「ふぅっ、あちぃ~」
軽く汗をかくくらい練習してから蒼の座るベンチに行くと、今日も変わらず編み物をしてる。
「それは誰の何になるわけ?」
座りながら聞くと「これはお母さんの膝掛け。」と顔を上げずに答える。
「でも、何で急に編み物?」
「急でもないんだよ?
去年はここで、空のことを見るのだけに
神経使ってたから、
持ってきたりしてなかったけど、
編み物歴はながいんだよぉ」
ニコニコしながらも手は止まらない。
「ふぅ~ん…まぁ、いいや。
そうだ、明後日の土曜日、
デートしよう?」
「えっ!嬉しいっ!!
どこ行くの?何時に待ち合わせ?」
編み物をしていた蒼、今日初、顔を上げてキラッキラの瞳で俺を見つめてる。
誘った甲斐のある喜びかたで嬉しい。
さぁ、久しぶりのデート、楽しみだな♪