あんなに、抱くことが出来なくて欲求不満で悩んでいたのに…


今…間違いなく人生最高の時間を過ごしてる。


☆☆☆


時間ギリギリまで二人で余韻に浸りながら、抱き合っていた。


慌てて起き上がり、順番に軽く体を流して身支度をして部屋を後にした。


☆☆☆


蒼が無意識か、お腹に手のひらを当てていたから、「痛い?大丈夫か?」と聞くと、「う~ん、痛いっていうより、重痛い?でも、平気だよ、ありがとう」って言った。


女の子がどんな痛みを感じるのか、男の俺にはどうしたって分からない。


だから、「蒼、俺こそ、ありがとうな」と伝えた。


少しキョトンとしたけど、俺の好きな優しい笑顔で「どういたしましてっ♪」なんて言ってきた。


夜9時半過ぎ、手を繋ぎ歩き出した。


☆☆☆


蒼のマンションエントランスに着くと、離れがたくて、抱き締めてしまった。


「今日は祝ってくれてありがとうな。
最高の誕生日になった。」


「空、プレゼントをあげたいから…」


腕の中でモゾモゾするから離してやると、バッグから小さめの包みを出した。


「16歳おめでとう」と渡されたものを開けるとスポーツタイプの腕時計だった。


「蒼…すげぇカッコいい…
ありがとう、大切にする。」


チュッ…と軽くキスをして微笑みあい俺も家に帰った。