『カチャリ…』
結局、ベッドの上に、あぐらでバスルームの方を見ながら座ってた。
だから、曇りガラスの向こうで何となく動く影を見ながら待っていることになり、ドアが開いたとき、直ぐに目があってしまった。
「えっ…あれ…おそ、かったか、な?」
火照った顔でそう聞かれて、慌てて「イヤッ、大丈夫」って答えた。
立ち止まる蒼に向かって手を差し出した。
それに気がついた蒼は、ふわりと笑うと、手を俺の方にさしだしながらこっちに来た。
「蒼…ここに来な?」
もう一方の手をベッドの俺の直ぐ横に置き、呼び寄せる。
「うん…」
バスローブ姿の蒼は、恥じらいながらベッドに膝からのぼってきた。
つかんだ手を少し引くと、バランスを崩して俺のあぐらの上に倒れてきた。
俺は後ろについた肘で体を支えながら、蒼を見上げる。
両腕を俺の首辺りについて体を支えてる蒼は、逆に俺を見下ろしてる。
右手を蒼の頬にのばし、優しく撫でてみると、嬉しそうにする猫みたいに、目を閉じて肩と頬で手のひらを挟む感じにする。
「おいで…」
体を横に向けながら、もう一度蒼の右手を引いて、俺の横になるようにねかせた。
そして、俺が上になり…
優しくキスをする…