知らず知らず肩を抱き寄せる手に力を入れてしまいながら、部屋の中へ入る。
家族旅行とかで、泊まったいわゆるホテルは短めの廊下が有り、クローゼットと、反対にバスルームがあって奥が部屋ってパターンだけど、ここは違った。
入るといきなり広がる部屋で、四角に近い感じの部屋のやや奥にキングサイズ位のベッドが、存在感たっぷりに頭を奥にあり、手前にカラオケの機械とソファーセットがある。
ドアはやや右寄りについていたのか、ドアからみて左側にガラスに囲まれたバスルームがベッドの横にある。
今は曇りガラスのようになり、中は見えない。
クルリと二人して初めての空間を眺めてしまった。
………
……
…
俺は蒼を後ろから軽く抱き締めて「大丈夫か?」って聞いてみた。
すると蒼は少しだけ振り向きながら「うん、大丈夫…シャワー、する、の、かな?」と聞いてきた。
「だな…今日暑かったし…
先と後、どっちがいい?」
『うぅ~ん…』としばらく考えていたが、「後から…で」と言ったので、腕を離し「待ってて」と言い残し、ガラス張りの中に入った。
☆☆☆
バスルームは家庭にあるのに近く、使うのには困らなかった。
ただ、不思議な形の椅子や、やけに広めの洗い場がなんだかエロく感じてドキドキした。