動き回る蒼を目でおう。
時々絡み合う視線に、なんでだか今さらドキドキしてる。
向こうはなんだか余裕そうにニコッとして、また客の方へ。
一時間ほど過ぎて、飲みきってしまったグラスを手に、どうするか考えていると、三浦さんが何かテーブルに出してくれた。
「お待たせいたしました、
ベーグルサンドでございます。」
そして、グラスも新しいのと交換してくれて、離れ際にこう言ってくれた。
「全て蒼から。
まだいてほしいってさ。」
「空くん、よかったっすね~」
亮一のからかいも気にならない。
見に来たのを喜んでくれてる…それが単純に嬉しかった。
それから二時間近く過ごし4時過ぎ。
『一足先に公園で待ってる』とメールを打ち、目のあった蒼にスマホをちらつかせて『見ろよ』と無言で伝えてから、店を出た。
三時間ほどの偵察で分かったのは、蒼も三浦さんも、バリスタ風制服が良く似合うことと、疲れを感じさせない働きぶりだってこと。
そして、二人ともかなり熱い視線にずっと曝されているってことだ。
三浦さんは、勘のいい人みたいで、自覚しながら巧くかわしているみたい。
でも、わが彼女は…三浦さんにお願いするしかなさそうだった。