結局、まぁカフェもそんなに悪くないかと思い直した。


三浦さんのお父さんは余程のことがない限り店に出てるっていうし。


ある意味、見張ってて貰えて、ラッキーかもしれないとまで思えてきた。


☆☆☆


7月25日から蒼と三浦さんのバイトが始まった。


基本は毎日10~17時で、用事があったりの時は言えば休ませてくれるらしい。


☆☆☆


「いらっしゃいませ♪」


「お待たせいたしました。」


………
……


カフェはカウンターと背の高いテーブル席があり、窓が広くて明るい店内。


満席で40名ほどの落ち着いた店で、花宮から3つ離れた駅を出て直ぐにある。


三浦さんの最寄り駅で自宅も近いらしい。


俺と亮一は夏休みに入ってから4日…つるんで公園で練習したり遊んだり…でも蒼が気になる俺はどこか上の空らしくて。


で、亮一が「そんなに気になるなら、いいって言われてんだから、店に行こうぜ」と誘ってきた。


そして今、俺の前に蒼がアイスティーを置いた。


カフェの制服は女子もバリスタ風っつうか、白長袖シャツに黒パンツ、黒ベストで黒の腰に巻くタイプのエプロン。


だから、見た目は心配しなくて大丈夫って今日分かった。


でも…明らかに蒼に熱い視線を送る男がいるのも、分かってしまった。