からかってやると頬を膨らませながらパンチの真似をする。
こうやって他愛ないことで話したりじゃれたりする時間が、マジ楽しい。
こんな気持ち、想い、今までの恋愛では感じたことなかった…
☆☆☆
「空っ、バイト決まったぁ」
それから数日後、公園に遅れてきた蒼は俺を見るなり大きな声で伝えてきた。
俺は休憩することにし、そして話を聞いて不機嫌になった。
「空…断るね…
ごめんね?どこの面接か、
ちゃんと話せばよかったね…」
「……いいよ、断んなくて…
んなことしたら、三浦さんが
立場悪くなるんじゃねぇの?」
「ううん、大丈夫だから
バイト変えるから。
私の人生、全部空一色だから♪」
笑顔でそう言う蒼は、無理してるようには見えない。
…『三浦さんのお父さんが経営するカフェ』なんて…聞いてなかったから…
「あっ、カンナ?
カンナの勘、的中だった。
やっぱなしでってパパさんに、
話して…「いいよ、やりなってっ!!」」
蒼の手からスマホを奪い取り、三浦さんと話す。
「ごちゃごちゃ悪りぃ…大丈夫、
行かせるから。」
そう話してから、蒼に返した。
「あっそ…まぁ、守るから」
三浦さんがそう呟いたのは、誰にも聞こえなかった。