「やったぁ~!!
ねぇ、見た?見たよね?
カンナ見た?イェ~ィ」


『パチンッ』


三浦さんとハイタッチしている。


「空ぁ♪見た?見た?」


嬉しそうな笑顔で俺のところまで来て、手をあげている。


『パチンッ』


それに俺の手をあててやり、さらにはそのまま手を頭に乗せて、髪をグシャグシャっと…したあと直ぐに離れた。


「そぉらぁ~!!止めてよ~」


大袈裟に頭を直しながら叫ぶ蒼。


クラスメイトが周りで笑ってる。


「空のせいでみんなに
笑われたっ!もう…」


言葉はそんなだが、顔は…目も口元も笑ってて手にしたボールを俺に向かい投げてきたっ!


……‥‥二人の距離の半分辺りでバウンドし、俺のところに来る頃にはコロコロコロ…


その場がもっと笑い声で一杯になり、隣のコートのやつらまで、見てる始末。


練習はこんな感じで順調に進んだ。


☆☆☆


明日が球技大会って日の昼休みに三浦さんと蒼が話ながら俺のところに帰ってきた。


帰って…と言うのは、弁当を食べていたら三浦さんが川北に、呼び出されたからだ。


「何だった?」


「うんとね、カンナの条件の
確認、目指す順位を事前に
申告しろって…」


「えっと……3位以内。
お願いしますっ……」


三浦さんはクラスの、誰にってわけでもないけど、大きめの声で言うと頭を下げた。