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6月、梅雨入りしてから思いきりスケボーができてなくて、少しイライラしている。
毎年この時期はイライラ…
「空?お弁当…食べないの?」
向かいの椅子に座る蒼が、顔を横に傾けながら覗き込んでくる。
「ん~食べるよ…蒼の弁当、美味いし。」
そう……
実は少し前から蒼が俺の弁当も一緒に作ってくれるようになった。
それまで全く蒼の作ったものを食べたことがなかったが、練習しながら作ってくれるその気持ちが嬉しくてお願いしてる。
味は…まぁ…普通?
勉強中だし、な…。
「嘘だ…唐揚げ、少し焦げぎみだもん…」
「で、も、美味いよ♪」
パクリと口に肉をほおりこみながら、微笑む。
「うぅ~‥明日は頑張る…」
「おぅっ、頑張れ。
あ、明日はベーコンの野菜巻き頼む」
「ん…わかった。
お母さんに聞いて作るぅ…」
食べ終わり二人で話してると亮一と三浦さんがやってきた。
「ねぇ…」
三浦さんが蒼ではなく、俺に向けて声をかける。
「あれっ?カンナ、空に話?」
「神木君だけじゃないけど、
実はさ、今月末にある球技大会で
勝ちたいやつがいてさ…
協力を頼みたいの…」
少し頭を下げながら俺に話す。