「これ見たときね、
なんでか泣けて…思いきり泣いた。
そしたら、スッキリした(笑)」
愛しむように写真を見ている蒼。
俺は蒼の横に座り直し、肩を抱き寄せた。
何でだか今、蒼に触れていたかった。
「ほら、この青空…
私の傘の色に似てるでしょう?」
言われればそうだ。
「確かに…」
「この写真の空の笑顔と青空に
私…『大丈夫だよ』って
言ってもらってるみたいで…
前向きな気持ちになれたの」
「どんな困難も笑顔で吹き飛ばせちゃう、
みたいな、ね?」
そう言って俺の肩に頭を寄せる。
「だから…ありがとう、空。」
「今度からは、写真だけじゃなくて、
本物の俺もたくさん見てな?
俺は、いつでも、これからも、
傍に必ず居るから…
何があっても、一人で我慢すんなよ?
辛い話しだったろ、してくれて
ありがとな…」
『コクン』と小さく縦に動く蒼の頭…
微かに体が震えてるみたいだった。
しばらくそのままひっついてた。
☆☆☆
俺のバカ笑いも、捨てたもんじゃないな、なんて思いながら蒼の温もりを感じていた。
「…中1で…写真で空を知ってから
本当は早く会いに行きたかった。
まぁ、その頃は恋とか、好きとかって
気持ちよりも、感謝ってことで
なんだけど。」