結局雨がまた降りだして、公園には行かなかった。
亮一からも『雨で止めたぁ』とメールが入り俺は久し振りにのんびりと自宅で過ごした。
☆☆☆
翌日の夕方、公園で陸也に会い、蒼のことを別に考えもなく「今日の用事からもう帰ったかな?」と聞いた。
「ヘッ!?蒼?あ、やぁ…知らねぇ…」
なんだかいっつも堂々としてるし、キョドるとこなんか見たことないから、ちょっとその反応に驚き、次の瞬間には『蒼に何かあったのか!?』との考えに行き当たった。
「陸也さん?蒼、なんかあったのか?」
思わず声を落として陸也に詰め寄る。
「いや!ない!大丈夫。じゃっ!!」
陸也は明らかに態度がおかしかったが、ササッと別の仲間の方に行ってしまった。
俺は蒼のことが気になり、練習する気にもならなくなって、蒼から連絡がないかスマホを見てみるがまだない。
片付けてその足で蒼の家に向かった。
☆☆☆
マンションのエントランスでンターフォンを
ならすが、反応がない。
まだ、外出先から戻らないのか?
嫌な汗が背中を流れ心臓はドキドキバクバク。
用事ってなんだったのかちゃんと聞いておけばよかったと後悔しながら、ガラスドアの外を何気なく見た。
一台のタクシーがエントランス前に停まり、しばらくして人が降りてきた。