もう一度キツく言って、チラッと蒼を見てこっちに来いと顎と視線で合図した。
微かに戸惑いを含んだ瞳のまま近づいてきたから、手を伸ばして蒼の手を掴み、自分の腕に抱き入れた。
「会話も、触れるのも、何をするのも、
とにかく、蒼でないとダメだから。
そんな風に言われたりしても、
無駄だから。」
涙がたまってきた瞳をこちらに向けているが、何も話さない。
「じゃぁ、そうゆうことなんで、
失礼しまぁす…」
肩を抱き寄せながら校舎の方に戻っていく。
「あっ、話し聞きに来てくれて
ありがとう!」
後ろからそんな言葉が飛んできた。
しつこかったが、悪いやつではなさそう。
昼休みはほとんど終わってしまった。
☆☆☆
「「ふぅ~…‥‥」」
教室に入るとどちらからともなく、ため息…。
蒼を見ると少し顔色が悪い気がした。
「蒼、具合わりぃの?保健室、いく?」
「ううん、大丈夫。
雨上がりでもわぁっと暑くて…
もう、平気だよ♪」
そう言ってニッコリしてから自分の席に座った。
☆☆☆
帰りの支度をしてたら亮一が話しかけてきた。
「お前らほんっとモテるんだなぁ。
でも、どっちが多いんかな?告白。」
感心するような声で聞いてきた。