手を繋いで現れた俺達をみた二人は少し驚いた顔をしていた。
そして、なんとなく、互いに呼んだのだと気が付いたのか女子は俯き、男は頭をかいていた。
俺と蒼は顔を見合わせたあと小さく頷いてから、手を離して互いに呼ばれた方に近付いた。
野中静穂という人は、「神木君来てくれてありがとう。話って…私、神木君が好きなんです」と瞳をウルウルさせながら胸の前に両手を組んで見上げながら…告白してきた。
「申し訳ないけど、俺は
蒼だけが大好きなんで。
他は一切考えらんないんで。
諦めてください。」
ま、普通ならあんな告白されたらグラッとすんのかな。
全くなんとも思わない俺はかなりキツめに言った。
言いながら右耳は蒼のほうに意識をよせてた。
☆☆☆
「…どう言われても、私の
気持ちは空へだけ、なので。
すみません。
お付き合いは出来ません」
ちょうど相手に向かい頭を下げてる蒼が、横目に映った。
☆☆☆
蒼の相手はあっさりしてたのか、直ぐに居なくなり、蒼はその場でこちらを向いて待ってた。
「あのっ…どうしても、ダメですか?
遊びにいく友達…とかもダメですか?」
こっちはしつこい…。
「俺はそんな器用じゃないから、
彼女居るのに女友達と仲良く遊ぶとか、
有り得ない。諦めてください。」