周りのざわつきが大きくなったと思ったら、陸也が来ていた。
「隼人~なに俺の妹にチョッカイ
出してんの?前に忠告したよな?」
陸也に凄まれてようやく引き下がる気になったのか、「あぁ~もういいわ…マジしらけた」と1年の教室前から去った。
「陸也さん、ありがとうございます…
しつこくて…」
「おぅ!ま、俺はいっつもこんなんして
蒼を守ってたし。
達馬がさ、教えてくれたんだ
後でサンキューって言っといて
じゃ、」
「はい、ほんと、助かりました
じゃあ…」
ようやくみんなも散って、俺は教室に入る。
三浦さんと隅っこにいた蒼が、ダッシュしてきて、ギュゥっと腰に腕を巻き付けた。
「空っ、怪我とかない?
辛くない?ありがとうね…」
頭をポンポンしながら「大丈夫だよ、陸也さんも助けてくれたし」と安心させる。
「陸?そっかぁ…またかぁ…」
以前にもこんな風にもめたんだろうなぁと、思わせる反応だった。
騒ぎは何とか収まった。
隼人先輩はそれからは蒼に話しかけたりすることはなくなった。
俺も蒼も面倒な人々に好かれてしまって…さらに校内で有名なカップルになっていった。