「うるせぇよ!!」


苛立ちを乱暴な言葉で俺らにぶつけてくる先輩は、俺の肩越しに蒼を掴もうとする。


「先輩…マジ止めてください。
蒼…教室入って三浦さんと一緒にいろ」


ドアの中に三浦さんが見えたのでそう言って背中をおし、俺は先輩に向き直りドアを前に立ちふさがった。


「あんな、俺は神崎蒼を口説きに
きたわけ、彼氏とか彼女とか、
俺にはかんけ~ないんだよっ!!」


ガツッーー‐‐ドアのすぐそばを拳で殴りながら俺にそんな風に啖呵をきる。


「あんたが関係ないとか言おうが、
蒼にその気がねぇんだ、いい加減
自分が振られて相手にもされてねぇって
分かれや…」


キツめに言うと予想通りに胸ぐらを掴んで凄んでくる。


それを払い落とし睨み付ける。


「フンッ…じゃあ、さ…」


隼人先輩が眉間にシワを寄せたまま言ってくる。


「そんなに、自信があって
俺は眼中にないってんなら、
1日くらい、デートさせろよ、
楽しませてくれよ…」


「ハッ…それこそ話になんねぇ…
そんなことするって蒼を思ってる
のが間違ってんだろうがっ!!」


こんなやつ相手にするのも嫌だった。


「俺と蒼は本気なんだ。
お前らみたいな外面だけで
遊んだり付き合ったりしてんのと
一緒にすんな…」