「先輩…それ、本気で言ってますか?
だとしたら俺を本気で好きじゃないって
ことで話にならない、
ふざけてんなら、
バカにすんなってこと。
蒼、待たせた、行こう…」
体の向きをかえて、蒼の手を離して肩を抱いて学校に歩きだした。
「ほ、本気だしっ、バカにしてないよっ
話にならないって、なんで?
好きなんだもの…
一緒にいたいって…それだけだよ」
後ろから叫んで自分の気持ちを押し付けてくる。
蒼が心配そうに俺を見上げてるのが、感じる視線でわかる。
「いいんだ、俺が2番目、3番目
とか彼女にして付き合えるなんて
思ってるって……
俺がかなり最低なやつじゃん」
「ん…あの先輩の言い分はかなり
自己中…空を大切にしてないよ。
私が心配なのは…空が…
空の心が痛いのが辛いよ…」
しょんぼりしながら寄り添って歩く蒼。
肩を抱く手に力を込めてポンポンとしてから「蒼が居るから大丈夫」と耳元で話す。
後ろは振り向かなかったからあれから先輩がどうなったか…。
少しして登校してきたクラスメイトが、登校中に人前で告白したのはあっちなのに、「あんな恥ずかしい思いさせられてムカついた」とか「勘違い男にちょっと構ってやっただけ」とか言って校舎に入ったらしいと教えてくれた。
とんだとばっちり…ほんと嫌になる。