校舎を駆け下りて門まで一気に走った。


「ハァ…ハァ…そ、ら…くるし…」


肩で息をしながら頭を俺の肩に寄せてる蒼を抱きよせる。


「ごめん、ごめん…ハハッ
蒼、息、上がり過ぎだろ…」


「そ、そんなっこと…ない…もんっ」


言ってから『ふぅ~っ』とひとつ大きく息をはいてから、ようやく俺を笑顔で見てくれた。


☆☆☆


花宮駅前は、まだ、昼には少し早いはずなのに学生が大勢いた。


「蒼、昼飯どうする?」


「う~ん、私ね、映画観たいの。
だから、映画館のとこのパスタや
でもいい?それまで大丈夫?」


「りょ~かいっ、なら大盛食おうかなぁ」


松宮とは逆にひとつ行った駅に結構大きな映画館があり、そのすぐ側にあるパスタやが安くて美味い。


「何観たかった?」


「うん、ほら、CMしてる
ホラー映画っぽいやつ…わかる?」


「あ~、ハリウッドのね
ホラーってか、ミステリーね」


「どっちでもいいよぉ、とにかく
それね?」


「はいはい(笑)で、時間は?」


きっと教室でスマホをいじったりしてたのは、調べてたから。


「16:05の回があるよ。
その前だと、13:35」


「じゃ、16時のほうな」