「いや、ダメじゃないよ、
入れてくれてサンキュ~
蒼も、制服すげぇ似合ってて可愛いよ」
☆☆☆
傘を俺が持って歩き出すと、蒼はスクバからタオルを出してきて手を伸ばしながら、俺の肩や顔やらを拭いてくれる。
「ありがと。でも、腕が辛いだろ?
自分でやるから
それ、貸してくれる?」
「え~、なんか彼女っぽくて拭いて
あげたいのにぃ…」
「ほぉら、横向いてると
蒼も余計に濡れるだろ?か、し、て」
「はぁい…」
タオルを受けとるといったん立ち止まり頭を拭いて制服の水滴をはらい、「はい、ありがとう」と返した。
青峰の制服は濃紺ブレザーで、ズボンとスカートは同じ布で濃グレーに数色のチェックが入ってる。
男女ともネクタイで色はズボンとかと同じ。
まぁ、シンプルだし着崩しやすいかな。
カップルはネクタイを交換してるって陸也に教えて貰って、当然初日から交換してる。
同じネクタイだけど、女子は裏に校章、男子は表に校章が刺繍されてる。
だから、異性のをしてるってことは判るし、制服作るときにイニシャルをネクタイとブレザーに入れてるから、よく見れば誰のかってこともわかる訳。
今日は入学式だけで、在校生は明日が新学期始まりで、陸也は休み…なんだけど…
俺んちは母さんが入学式に来るっていってたけど、蒼んちは家族一同で来るって…