そして力任せに押しやられ、フラッとよろめく俺…
「ふざけんなっ!!
お前…蒼の何見てんだよっ…
信じてないやつに蒼は任せらんない、
りくぅっ!!このカップル終わりっ!」
俺に言った後、くるりと陸也に向かい叫んだ三浦さんは蒼の腕を引っ張り立たせて、抱えるように陸也の方に行こうとする…。
陸也はこちらに走ってきて俺をキツい目で睨み、次の瞬間は優しさに溢れた眼差しで蒼のことを覗きこんでる。
「待ってっ!!行くなっ蒼っ!!」
あまりの展開にぼう然としかけたが、ハッとして、俯いて三浦さんのなすがままの蒼の腕を掴んで引き寄せる。
ほとんど力が入ってなかったのか、バランスを崩しながらヨタヨタと俺の腕に入る。
「あ、遊んでたなんて思ってない!!
ただっ…気になることがあって…それで…」
「なにが…気になる、の?」
力なく寄っ掛かっていた蒼が、俺を見上げて小さな声で聞いてくる。
陸也と三浦さんはそんな俺達をとりあえず静観してる。
「蒼が…初カレが俺…で、
キス…も、俺が初めてって…
信じてる…」
「で、でもっ、あの卒業式の日っ
したキス…とても初めてに思えないくらいで…
それで…どうしてそんな
上手いか…気になって…」