午後七時過ぎ、俺には星野さん、蒼には加藤さんが声をかけてくれて初日の仕事を終えた。
これからは月、水、金に事務所でアルバイトをすることにし、土日はイベントやショーが有るときに仕事をさせてもらうことになった。
☆☆☆
「疲れたなぁ」
「疲れたねぇ」
そう、言いながら互いを見ると…
疲れた顔の中に、充実したキラキラが溢れていて、『あぁ、俺もこんな顔してるかな』なんて思った。
「でも、幸せだぁ~」
伸びをしながらそう口にする蒼が可愛い。
「さ、帰ろうぜ、腹へったし」
「うんっ、朝、ご飯はタイマーしたから、
おかずだけ買って帰ろ?」
昨日の夜は遅かったから、買い物もまだろくにしてない。
最寄り駅のスーパーに寄ることにした。
30分ほどでスーパーについて、カートを押す俺の横に蒼。
『なに、この感じ…照れる…』
自分が意識しているからか、なんだかやけに周りの視線も気になる。
スーパーに来るには少し遅い時間だからか、主婦っぽい人はあんまり居なくて、会社員って感じの男女や学生っぽい人が多かった。
『兄妹?』
『制服だけど…』
チラチラ見ながらも自分の時間がもったいないのか、ササッと通りすぎていく。