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放課後、挨拶もそこそこに星野デザイン事務所に向かう。一時間はかかるため、電車の中で蒼とその日の復習なんてしてみる。


今まではほんと、いい加減だったが、二人暮らしの条件は成績を落とさないことだ。


だから、時間がないなら、分からないものを積み重ねないように努力しなくちゃ。


そんなことをしてたらあっという間に事務所の最寄り駅についた。


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白を基調にした、シンプルで広いスペースに7人の人達が忙しなく働いている。


その隅っこに応接スペースがあり、今はそこで待たされている。


待たされているといっても、俺も蒼も、見るものすべてが勉強で刺激で、瞬きすら忘れそうな勢いで所員を見ていた。


「いやぁ、お待たせ」


明るく人当たりのいい星野さん。


だが、作品に対しては妥協を許さない厳しい人だと聞いている。


はたして何をさせてもらえるのか…


「じゃあね、加藤っ!
ちょい来て!」


星野さんが呼ぶ方に顔を向けると若い、少し小柄でふっくらした男性がこちらに駆け足で来る。


「はいっ…ほ、星野さんっ、
なんで、しょう、か…」


ほんの少し走っただけで、軽く息が上がるその加藤さんが俺らの指導係になってくれた。