『なら…なんであんなにキスが上手い?』


こっちの方が問題ありな気がする。


「な、なぁ蒼…蒼の
ファーストキスの相手って…」


俺がまごつく間に素早く被せてきて「空くんっ!」て笑顔で答える蒼。


「えっ?空くん…もしかして…
疑ってるの?」


笑顔な蒼を目を見開き見つめると、下から覗き込むように見られて「ぅ…うん…」思わず肯定してしまった…


「そんな…それはショック…
なんか、遊んでるって言われた感じだ…
いや、感じじゃないね…
空くんはそう思ったって…
ことだよね…」


言いながら俺の胸を押しやり腕から離れ後ずさる。


蒼の足がベンチに当り、そのままクラッとしながらも座って下を向いてしまった。


「あ、いや…遊んでたとかまでは…
思ってないってか…えっと…」


上手く言葉が出てこなくて焦るばかり。


ペットボトルを手に三浦さんがまた近づいてきて、さっきとまるで違う俺らの雰囲気に驚いてる。


「な、に?速攻ケンカ?
蒼?どした?」


ベンチの蒼の横に座りながら背中を撫でる。


「あ、わたし、ね…遊んでたと
思われてる、らしいや…ハハッ…」


蒼が俯きながら、でも泣いてはいない声でそう話した途端に、ベンチから立ち上がった三浦さんに、胸ぐらを掴まれる…