「私の病院もちゃんと通います。
家事も分担で、どちらか一人が苦しむ
ことがないように、お互いから
目をそらしません…」
蒼もいつもと違う、真剣な声で懸命に想いを伝える。
「だから、二人暮らし
「認めてくださいっ!!」」
最後は二人で自然と声が揃い、膝につくほど頭を下げた。
無音……
「ふぅ……」
しばらくして父親のため息が聞こえて、ハッと頭を上げた。
父親は寂しそうに微笑んでいた。
「まぁ……私達四人は…
君らを信じているから…」
そう小さく言ってから、両手を顔にし、天井を仰ぐ。
「寂しくなるなぁ……」
「あ、ありがとうっ!!
ありがとう、父さんっ…」
案外あっけなく認められ、信じられない。
「おじさん、おばさんっ、
ありがとうございました…」
蒼の声が喜びで震えてる。
「次は蒼ん家だ…
ぜってぇ、クリアだ、なっ?」
「んっ…絶対、だ、ねっ…!」
「なら…車出すから一緒に
送ろう、で、まずは状況を伝えなさい。」
父親の言葉で9時前、神崎家へ向かう。
☆☆☆
「あらぁ、素敵な話ね、
ねぇ、お父さん♪」
「あぁ、良かったなぁ♪」
明らかに予想と違う反応に、蒼も俺も、当然俺の両親もただ、あっけにとられていた。