ソファに、両親の前に並んで座り、チラリ…蒼を見ると蒼も俺を見ていた。
「話すのに必要なもの…取ってくる」
うなずき合い、俺は『StarSky』の星野さんからの手紙や物件のプリント、その他いろいろまとめて書いたものなど部屋から取ってきた。
そしてまずは手紙を読んでもらう。
待つ間に、俺は左となりにいる蒼の手を繋いでいた。
「ほぅ…で?」
父親がわざとか…気のない言葉を口にする。
「俺と蒼、高校行きながら星野さんから
言われたアルバイトをしたい。
そして、進学をしないで、そのまま、
事務所に就職したい。」
俺が声に力を込めて伝える横で、蒼もきっと真剣な顔で俺の両親を見つめている。
「だからなんだ?」
突き放すような冷たい言い方に、逆に幸せを感じながら、蒼と繋ぐ手に力を入れて話す。
「事務所はここから頻繁に通うには
少し遠い。だから…」
蒼が物件のプリントを差し出したのを横で確認して、続ける。
「二人の貯金を使って、
二人でここに暮らしてやっていく…」
俺はあえて、『したい』とか曖昧さが残る言い方をしないで、覚悟と共に『する』意志を伝える。
「二人の生活はアルバイト代で賄う。
成績は落とさない。
月に一回以上は実家に帰る、まぁ、
これに関しては実際始めてみないと
確約は出来ないけど」