着けてもらったピアスをいじりながら、気になっていた事を聞いてみた。
すると……
今日は風呂の後にもかかわらず下ろしていた髪をスルッと耳にかけて、左耳を俺に向けてきた。
「えっ…?蒼?」
蒼は今までピアスホールを開けていなかった。
でも今、目の前に、俺と同じピアスが左耳に着いている。
「空、右耳…着けてくれる?」
今度は右耳を俺に向けて、箱の中の最後の一つを俺の手に乗せる。
「ふふっ、なんか、
くすぐったいねぇ~」
首をすくめながら笑う。
つけ終わると「ありがと…」と小さく呟いた。
「ちょい、立って…」
蒼を立たせて鏡の前に二人で立つ。
二人の耳にお揃いのブルーのピアスが輝いていた。
「いいな…また、一緒が増えたな。」
指輪を少し掲げながら、左手で横にいる蒼の頭をそっと抱き寄せる。
ストラップから始まり、指輪、ピアス…去年の時計は、蒼はやっぱり自分の分を買っていてしばらくしてから「エヘヘ…」と見せてくれた。
こうして、見えない気持ちの分を、見える想いにかえて二人で持つのは、蒼を好きになり付き合うまで理解できなかった。
でも、今は愛しさが、贈りあうものにもちゃんと込められているのが実感できる。
去年も思ったけど、今年こそ、今までで一番の最高の誕生日になった。