「そ、空くん…?
やっぱり私…重かった…?
ダメ、かなぁ……」


涙声で悲しそうに俺をみる蒼と視線がぶつかる。


「えっ?蒼?
なんで泣くの?あ…ぁっ、重くない!!
そんな風に思ったことないから、
心配すんな、なっ?
むしろ、嬉しいよ」


目の前まで行き肩を掴んで顔をじっと見る。


「んっ、信じる…ありがと!
空っ♪」


ギュゥとしてくるから、俺も当然ギュッと返す。


「ありゃぁ~バカップルですか…」


三浦さんの呆れた声が聞こえるけど、気にならなかった。


「蒼?夏休みから俺のこと、
好きだったの?」


耳元に口を寄せて、抱きしめた体勢のまま聞いてみると…


「ん…」


小さな声と首を縦に振る仕草。


「俺も、蒼が初めて公園に来たとき
一目惚れ…陸也さんにもヤキモチ妬いたし」


「ほんと?」


腕の中で顔を上にして、照れながら見上げてくる。


「ほんと…俺…蒼の…
見たことない元カレとかにも
嫉妬してるし…」


『何気に気になること言ったぞっ…』


「元カレ…?」


見上げていた顔がハテナマークだらけになる。


「空、くん?私…元カレ…いない…よ?」


俺と蒼は正面から見つめあう…全く甘くない雰囲気で。


「そう、なのか…?」