病院では緊急手術となり、俺と陸也は廊下で待つことに。
静かな空間の中で、陸也が知っていることを話してくれた。
「俺も…お前に電話した少し前に
あのコンビニでバイトしてるダチに
連絡をもらったんだ…」
話では、友人がバイト中に蒼が飲み物を買いにやって来て挨拶をして店を出ていったのが12時10分前位だそうだ。
蒼は飲み物をバッグにしまいながらゆっくりと駐車場を駅に向かい歩いていたらしい。
その時に駐車場に居た男性二人が、小学生らしい男の子を両脇から挟むようにして、店に近づいて来て蒼とすれ違ったらしい。
店員はそこからは見ていないらしく、いや、視界にはなんとなく、おもてで人が騒ぐ様子がうかがえたらしいが、客を相手していて次に外を見たときは驚いたそうだ。
蒼はどうやらそのまま通りすぎずに振り返り、後ろからその子を引っ張り自分に隠して、その二人の男性に話をした、らしい。
そして、店員が客を「ありがとうございましたぁ」と送り出すように、ドアの方に目をやると、小学生らしい男の子を背中にかばいながら、じりじりと店の方に自分達を移動させながら、二人組に大声で「それっ!犯罪ですよねっ?」などと言っていた。