12時、駅前で待つが珍しく蒼がなかなか来ない。


なんだか胸騒ぎがするけど、たまにはしばらく待ってよう…そう思ったのがいけなかったと、後になり後悔する。


☆☆☆


待ち合わせから5分ほど過ぎた頃、スマホがなる。


蒼専用の着信音。


「蒼?どうし…「そ…やめてっ!引っ張らないでぇっ!!空っ!!たすけ……ボクは店にっ…イヤァッ!!」!!!!蒼?」


『カシャァン…』という音の後は蒼の声は聞こえなくて通話も終わってしまった…


しばらくスマホを見ていたが、じっとしていられなくて蒼の自宅の方へ走り出した。


その時パトカーのサイレンが近づいた。


それとほぼ同時に俺のスマホが着信を知らせ音を出す。


ジャケットのポケットから取り出して画面を見ると陸也だった。


「なに?」


なんとなく、胸騒ぎを感じながら聞く。


「空っ!今どこだ?あ、蒼がっ…
け、ケガ、して…と、とにかく…」


駅からすぐのコンビニに止まるパトカーとスマホで話す陸也が目の前に居る。


俺はスマホを耳から離して「陸也さんっ!!」と呼び掛けた。


パッと顔をこちらに向けた陸也がでかい声で「こっちこいっ!!」と呼ぶ。


警官が野次馬達を店から遠ざけ、コンビニの駐車場に入れないようにしている。