二人で結構な額のバイト代をもらい、向かえたwhite day date。
修了式も近く、午前授業だったので水族館に行くことにした。
☆☆☆
「可愛い…」
カクレクマノミの水槽前でかれこれ10分くらい、見つめている。
確かに、アニメのモデルで可愛い、よ?
だけど…
「蒼、イルカのショーが見られなくなる
早く向こうにいこ?」
ようやく動いた蒼の手を引いて、ショーのある場所に座る。
「キャァ~!!」
イルカが跳ねて水しぶきが飛んでくる。
予想はしていたけど、まだ春も浅いから冷たい…
でも、蒼はニッコニコで「かわいぃ~すごぉい!」の連続だ。
ま、いいか…
今日はホワイトディだ、蒼が楽しんでくれるのが一番だしね。
ラスト、二頭のイルカが大きくジャンプして空中で交差した。
大きな拍手がなるなかショーは終了した。
「はぁ~凄かったぁ~!!」
目をキラキラさせて言う蒼。
「来てよかった?」
「うんっ!!よかったっ!!」
満面の笑みで腕を絡めながら、見上げてくる。
こちらもつられて笑顔になりながら、おでこにチュッ…
見上げたまま、頬が真っ赤になった。
「ハハッ…おみやげみて帰ろうか」