その間に蒼の支度が進んでいく。
俺とペアなのは4着。
ショーは女の子一人が数着、俺が数着を繰り返す。
そして、俺達がペアで出る。
元々モデルが二人だから、着替え時間は一着につき2分程度あるらしい。
着替えの間はスクリーンにひとつ前の洋服が写し出され、細かなセールスが行われて、その場でネット販売を展開しているという。
ミュージックが甘めなラブソングに代わった。
いよいよ、だ。
モデルと五センチほどの差があったらしいが、プロポーションは蒼の方がよくて、服のラインもキレイにでた。
ヒールのあるパンプスやブーツをかき集め、上物の丈をほんの少しだけつまんだようだった。
☆☆☆
パチパチパチ…!!!!!!
ラストの春のデートコーディネートでランウェイの中央にたつ俺と蒼に大きな拍手が降り注ぐ。
腕を組み、寄り添い、微笑みあう。
淡い桜色のふんわりワンピースとベストのコーディネートの蒼と、白のスリムパンツに淡い若草色のシャツと、ピンクがかった不思議なブラウンのジャケットの俺。
組んでいた腕をほどき、手をつないでスクリーンの方へ戻る。
もう一度、客席に向き直りポージング。
俺はやりとげられての満足感から、チュッ…
思わず蒼の頬にキスしてしまい、さらに沸き上がるステージを慌てておりた。