バレンタイン当日は校内で嫌な思いをしたが、放課後の校外では直接持ってきて俺らの周りで騒ぐやつらはいなくて、アイス屋もちゃんといかれた。


蒼を家まで送り、エントランス内の陰になるところで、ハグとキスを繰り返し、これ以上はヤバイってとこで、真っ赤なほわんとした顔の蒼から離れた。


☆☆☆


翌日からはまた変わらない日常が始まった。


そして…


「なぁ、やっぱ菓子以外も
必要かなぁ…」


亮一が真剣に…俺に聞いてきた。


七瀬さんに何をあげたらいいのか、かなり真剣に悩んでいるらしい。


「誕生日、クリスマス、
で、バレンタイン…三回の中で
お前がどこに重きをおくかじゃね?」


俺達は高1で、俺も亮一も継続的なバイトはしてない。


親からの小遣いでやりくりしてるんだから、そんなに金はない…。


だから、彼女に対していつ、金をかけるのかはよくよく考えて行動しないと続かない。


「だよなぁ~」


亮一は秋から年末までが辛い時期だったので、七瀬さんが回復して、初の贈り物になる。


だから余計にあれこれと考えるのかも。


「七瀬さんの誕生日は?」


「ん?9月…だからまだまだ…」


「それは…確かに遠いな。」


蒼は3月だ。


去年は付き合って直ぐだったけど中学生。


駅前デートと通学バッグ用に揃いのストラップだった。