きっと、恥ずかしくてしかたがないんだろう、睫毛はまぶたと一緒にフルフルと小刻みに揺れて、俺のブレザーをつかんでる指には力が入りすぎてるし、体全体も微かに震えている。
それでも、触れるだけのキスを数回繰り返し受け入れてくれ、ようやく俺は離れた。
「お前ら、めっちゃくちゃ
邪魔だっ!!どけっ!」
俺をわざとらしく押しながら教室に入り込んできた達馬。
その手には、なにやら紙袋。
「あぁ~わりぃわりぃ…」
全く悪いとも思わず少しニヤけたまま、蒼を席まで連れていく。
すると、後ろからその達馬が着いてきてる。
「達馬なんだよ…」
席はこっちではないはず、そしてそのピンクの紙袋…嫌な予感。
「あ~…これ、さ…
空に…「いらない、触らない、極力見ない」」
達馬の言葉が終わらないうちに、被せながら早口で言って、紙袋が視界に入らないように蒼だけをみる。
「おまっ…話くらいさぁ…
最後まで聞いてくれたって
いいんじゃねぇの?」
そちらを見ないまま「今日に限っては徹底するから」とだけ言って蒼に「アイス屋はやっぱりこないだの?」と話しかけた。
「ったく…間になってる俺の身にも
なってくれよ…それでなくても…」
ブツブツ文句を言いながら自分の席へと行ったみたいだ。
はぁ………っ…
朝の視線も、今のみたいな他のやつを巻き込んでとかも、マジムカつく。