翌週、valentine当日。
靴箱のないこの学校は、こうゆう日はなかなか大変だ。
教室にまで入り込まないと置いてこれないし、それだとさりげなく誰にも見つからず…というのがなかなか難しい。
☆☆☆
俺と蒼は普段通りの時間に手を繋ぎながら登校。
チョコも先に貰って、デートも済んでいるから、今日は軽く放課後デートの予定。
まぁ、この寒い中、アイスを食べに行くってことなんだけどね…。
☆☆☆
門を通った辺りからチラチラと明らかに俺が見られている、視線が刺さる。
「……空…なんだか、
視線…痛い…わたし…」
そう言って暗い顔をする蒼の肩を抱き寄せ鞄も持ってやる。
そして、頭のテッペン辺りにキスをしながら歩く。
「気にすんな、俺が好きなのは
蒼、お前だけだから…な?」
そう言って顔を覗き込んで、次はおでこにチュッ…
すると、ポッと頬を赤らめながら、「あっ…」と呟きおでこを指先でさすりながら睨んできた。
「安心しろ、誰からも、
どんなパターンでも、ぜったいに
チョコは受け取らないから。
信じてくれるか?」
一生懸命心を込めて蒼に伝える。
朝の、学校敷地内…
でも、人の目なんか気にしてられない。
俺には、蒼以外に大切にする女はいないから。