なんで、なんでみんなはそうやって易々と決められるんだ?
1年前にようやく進路先に合格して、そしたらまた進路決めって…
なんだかうまく言えないけど俺は焦った…
☆☆☆
公園に行く気にもならず、蒼を送ったあとは珍しく直ぐに自宅へ帰った。
すると、スマホが着信を知らせる。
画面を確認すると陸也だった。
まさに、今、進路を決めて勉強してるやつだ。
「なに?…」
最近のイライラから、つい、陸也はなんの落ち度もないのに、嫌な声で出てしまい、更にそれに自己嫌悪。
「おぉ~!空ぁ、元気、ではないよな?」
明るい陸也の、真剣な物言いに俺は息をひそめて、次に何を言われるのか待った。
「お前にさぁ、俺の将来の夢、
話してないなぁって思ってさ、
有り難ぁい話を語り聞かせて
やるために電話した。」
「陸也さんの夢…?
有り難い話だぁ?
なんか、嘘くせぇ…」
「まぁ、先輩の話は聞くもんだぞぉ」
そう前置きして、陸也はほんとに静かなトーンにして話し出した。
☆☆☆
《陸也side》
俺は妹の蒼から、空が悩んでいることを聞いて、お節介をしたくなった。
もしかしたら『弟』になるかもしれない空。
悩むのはいいけど、下向くなよ…空…