いろいろと頭に浮かんでは消えていく。
そして、結局答えなんて出ないまま、寝てしまった。
☆☆☆
翌日は雨。
1月の雨は冷たくて寒い。
待ち合わせた蒼は相変わらず『空色』の傘。
そして…満面の笑みで見上げる。
顔に雨がかかっても気にしないで。
「蒼っ、顔、濡れるぞ!?」
「いいんだよぉ、傘を使わせてくれて
ありがとって挨拶してるんだぁ。」
「なんだ、それ…」
いまいち蒼の気持ちが分からなくてそんな返事をした。
「だってね。傘を使うと、
普段はあまり意識しない病気を
ちゃんと感じて、向き合える。
忘れるな、いろんなことを見なさいって
私に教えてくれるの。
不思議だけど、なぜだか…」
そう、下腹部を撫でながら言って優しく俺を見る。
「空への想いも…
また強くなる…フフ…」
なんだかそんなことをいう、蒼を見ていたら照れ臭くなり、乱暴に「ほらっ、行くぞ…」なんて歩き出した。
全く、朝から…
でも、言われて嫌な気はしないよな。
知らずに口元を緩め、学校へ向かった。
☆☆☆
休み時間、亮一に進路を聞いてみた。
「俺?教育学部っての?
せんせ~になるための学部、いくよ?」
全く躊躇うことなく、当然とばかりに教えてくれ、俺はまたしてもショックを受けてしまった。