「ん?」
首を俺の方に傾けながら『どうしたの?』と言わんばかりの顔で見てくる。
「いや…もう、決めてるんだな…
すげぇなぁ…俺…何もないなぁ…」
『はぁ~』と大きなため息をつき、頭を項垂れさせた。
「目標がまだなくたって、
全然いいよ、じゃあさ、文系と
理系、単純に成績がいいのは?」
「ん~どれも似たようなもんだな」
「じゃあ…寝ないのは?」
「はっ…なんだそれ…」
思わず苦笑いしてしまう。
「だって、好き嫌いでまずは
考えないと、続かないでしょ?」
『まぁ…確かに…』
自分を見つめ直さないといけないのかなぁ、たかが16なんだけどなぁ。
☆☆☆
自宅に戻ると夕食を済ませてからリビングでボケッと座ってた。
やりたい夢のある蒼のことを思いながら、自分には何があるのか考えながら。
「なぁ…母さん…」
「なあに?」
「俺ってさぁ、何ができるってか、
何に向いてると思う?」
「あら、何?進路相談?」
母親はテレビから視線を俺にむけ聞いてくる。
「ん、まぁ…今週中に調査表提出~」
「へぇ、1年でももう考えるのねぇ」
「まあねぇ、文系と理系に
ならないといけないらしいし。」
そう答えてから、ひとつため息をつき、自分の部屋に戻った。