「獅郎さま、あたしの演技を見破ったのはあなたが初めてですよ?」


妖艶に微笑むのではなく、自然に、ごく自然に普通の笑顔がでた。
獅郎はそのことに満足したのか・・・


「ハッハッハッ

そっちが本当のお主かの、うむ。

そちらの方がお主らしいわい、お主のその態度気に入った。
お主が綾瀬である限り、儂ら…“旭グループ”は綾瀬につこう。

これからも、ここに来るがよい。
たまには老人の話し相手も悪くなかろう。」


そう言って優しい笑みを浮かべた。


「そ、それは本当ですか?
ありがとうございます。


暇な時にお邪魔させて頂きます。」


あたしもふわり、と笑った。



それから他愛もない話をして、8時30になるギリギリまで喋っていた。