校長の言葉に、私もにっこりと微笑みながら--------


「存じ上げてもらえて光栄です。
旭校長。
いえ、獅郎様の方がよろしいでしょうか?」


私が校長から様に言い直すと彼は一層深く微笑み、


「ハッハッハッ

やはり優次郎の孫だけあるのう。

櫻さま、校長で構わんよ。
しかしお主、儂の演技を見破ろうたな?」



口調が変わった。
こっちが本当の旭 獅郎(Asahi sirou)ね。


「見破る、なんてありがたいお言葉でございます。
ただ最初の口調に違和感を覚えましたので、もしやと思いまして。」


あの口調は私じゃなくても姉様達でも気付くのでは?と思った。
が、


「ほほう、さすが綾瀬家当主が恐れをなすだけあると言うわけじゃのう。
お主の姉さまたちは儂の演技には気づかんかったぞ。

お主は大層優秀なのだな、きっと姉さまたちよりも。」



その言葉は私にとってとても嬉しいものだった。