四季に舞う恋

時節～きせつ～

桜が散り 出会いが来て
緑が散る
紅が散り 暖かさが来て
雪が散る
01年のうちの出会いは10万回
別れはきっと9万9999回
だから今しかない
あの日しかない
忘れちゃならない訳がある

春-桜-

芽を出した
暖かなあなたの微笑みと
優しい声を聞いて
自分の中の'恋'という名の
大切な花の一歩

小さな小さな恋心
でもそれはきっと
誰にも分からない


だってまだ自分も
その芽が出たことに
気がついていない


春の心地よい日差し
桜の花びらが舞う
たった一瞬
すれ違うとき


きっとその芽に気付くのは
もっとずっと後のこと

春-ｱﾈﾓﾈ-

はかない夢だった
叶わないと分かっていて
好きになった
近付きたくて
でも勇気はなくて

はかない恋と
終わらせたくなかった
でも終わりにしたのは自分
はかない恋と分かっているから
余計に恋してる

どんなに想っても
届かない想いもあると
教えてくれたのは
あなたへの恋

夏-花火-

私の恋はﾛｹｯﾄ花火
火がつくと突っ走って
すぐ消える

でもいいの
相手が君だから

ﾛｹｯﾄ花火を受け止めてくれる
日は来ないけど
ﾛｹｯﾄ花火を笑って見ててくれる
君はいる
私はそれでいい

秋-紅葉-

木々が赤や黄色に染まる頃
心も染まる
あなたに惹かれ
姿を見るたび心が跳ねる

嘘みたいな感情が
当たり前の感情に
隠しきれない感情に

側で笑っていたくて
少しでも近付きたくて

赤く染まる頬
あなたにバレてしまいそうで
高鳴る鼓動も熱く

照れた私を見るあなたの
優しい瞳に映る私の赤い顔

冬-雪-

白い息
冷える体
冷たくなった私の両手

そっと繋いでくれるあなたの手
暖かさがゆっくり伝わって
それと一緒にあなたのドキドキも
直接手から手へと繋がってくる

あなたと触れあえたのが
冬でよかった
真っ赤になった顔を
うずめることができるから

来年の冬はもっと暖かく
もっと温かく
もっともっと強くぎゅっと
抱き締めていて
なんてこと恥ずかしいから
手をぎゅっとにぎりしめた