「意味わからないんですけど?」

笑顔で答えつつ、私は流と名乗ったその人を軽く睨みつけた。

「え~、いいじゃん?彼女になってよ?遊ぼうよ?」

「遠慮しておきます。私好きな人いるので。」

「えー、絶対俺の方がいいって!」

どうみてもチャラいだろ。私は心の中でため息をついた。

「じゃあさ、アドレス教えてよ?」

「充電切れちゃいました。」

もちろん嘘だ。

「アドレス覚えてないの?」

「長いので。」

「な~ん、残念。じゃあやっぱり今から遊びにいかないと!?」

そう言いながら、流と名乗ったそいつが、私の肩に腕を回してきた。