僕はいつも通り、朝の風を浴びて道を歩く
僕はまだ中学生であり、中学生にしては
まだ早い時間帯を歩いていた
そう、
彼に会うためだ
僕と彼は別の中学校で
早く家を出て会いに行く
それが僕の日課だった
とはいえども
家は近くてすぐに行ける距離なのだが
彼はアパートに住んでおり
アパートの2階で母と二人暮らしをしている
ああ
もうじき彼が来る
すぐにわかった
2階から降りる靴音が聞こえる
僕は彼に
「ジャン、おはよう」と言った
彼もおはようと返してくれた
彼はどういうわけか隣の市の中学まで
自転車で通学している
靴紐を結びながら
彼は僕に今何時かどうか聞いてきた
明確な時間はわからないので
素直にわからないと答えた
そういっている間に
彼は自転車に跨ぎ
じゃあ行ってくるよと残して
行ってしまった
この時間が永遠になればいいと思った
だんだん消えていく後ろ姿は
僕に寂しさを教えてくれた