「いいよ、あたし別に…」 「いい加減、諦めろ」 なによ、こっちはあんたのためを思って… 「わ…分かったよ。お風呂入ってくる」 浴室には、見たことないシャンプーやトリートメントがあった。 …シトラスの匂い。 この匂いだったんだ…。 爽やかですっきりする匂いが、あたしの心を静めてくれてる気がした。 お風呂の中には入れなかった。 痣や傷がしみて、痛くて入れない。