いつもと変わらない教室で
ひとりぽつんと空を眺める俺がいた。
「ほんっと男子高って萎えるよな」
どこかで聞こえてくる男の声。
そう、俺の高校は男子高校。
女に興味を持たない、てか持てない
俺は男子高校にやってきた。
「おうい。尚也くん、俺のはなし聞いてますかい?」
「あっ、ごめん」
どうやら俺にはなしてたらしい。
並木竜輝。
「女子がいないってつまんなくね?」
「俺は女に興味ねえ」
「ちえ。格好つけちゃって」
視線を外へ向ける。
空からひらひらと舞い落ちる青い羽が
ベランダに落ちた。
「綺麗じゃん。なにそれ」
「青い羽」
どうやら鳥の羽ではないみたいだ。
じゃあ、なんの羽だ?

これが…
俺と羽月の始まりの
合図だったよな。